富士フイルムは、バイオ医薬品の開発・製造受託の事業拡大を加速させるため、米国・英国のバイオ医薬品のCDMO(Contract Development & Manufacturing Organization)拠点に総額約32億円の設備投資を実施すると発表した。

導入予定の2,000L動物細胞培養タンク(左)と生産プロセス開発拠点の最新鋭設備(右)

同社は、2017年3月に新設したバイオCDMO事業部の下、FUJIFILM Diosynth Biotechnologies(FDB)を中核に、開発・製造受託事業の拡大を進めている。FDBでは、生産プロセスの開発から、治験薬、医薬品の商業生産までの一連のワークフローを効率的に進めることができる、抗体医薬品向けの開発・生産プラットフォーム「Saturn mAb(サターンマブ)プラットフォーム」を活用した開発・製造受託サービスに注力しており、その一環として、米国テキサス拠点ではcGMP(current Good Manufacturing Practice)対応の新生産棟に、2018年初めの稼働を目指してシングルユース仕様の2,000L動物細胞培養タンク3基を導入するとともに、英国拠点では2017年9月に生産プロセスの開発新拠点を開設するなど、受託体制を強化している。

今回の投資では、FDB 米国テキサス拠点に約22億円を投じて抗体医薬品の生産に必要な設備を追加導入するとともに、英国拠点には約10億円をかけて同医薬品の生産プロセスの開発拠点を拡張して設備増強を図る。2018年秋より新設備を順次稼働させ、抗体医薬品のプロセス開発・製造の受託能力を拡大していくとしている。