富士通は11月8日、企業と顧客の接点を高度化するソリューションを「Customer Engagement Solution」として新たに体系化し、第1弾としてコンタクトセンターを中心に顧客接点の高度化を実現する「FUJITSU Business Application CHORDSHIP(コードシップ) powered by Zinrai」を販売開始した。価格は、チャットボットが月額28万円(税別)から、そのほかは個別見積もり。提供開始時期は2017年12月を予定している。
CHORDSHIPは、同社のAI技術である「Human Centric AI Zinrai」(Zinrai)を利用し、高精度な応対が可能とするチャットボット「FUJITSU Business Application CHORDSHIP Digital Agent」(Digital Agent)を、導入構築コンサルティングサービスおよび稼働後の運用支援サービスと組み合わせて提供する。
新ソリューションは、コンタクトセンターにおけるAI適用をサポートするコンサルティングサービスの実施、Digital Agentへのコンタクトセンター業務に適するAIの搭載、チャットボットとオペレーターの連携によるきめ細かな対応などの特徴を備える。
コンサルティングサービスの実施に関しては、ユーザー企業が保有する業務データを基に、AI適用に向けた提案や導入後に期待される効果の検証など、チャットボットの導入に向けたコンサルティングに加え、導入構築、コンタクトセンターの稼働支援、運用までトータルに支援するとしている。
Digital Agentは、WebサイトやLINE、Skype、Facebookなどと連携できるインタフェースを備えたチャットボットで、問い合わせ内容に含まれる利用者ごとの言葉の揺らぎや類義語などを自動で認識・生成するZinraiおよび、企業に蓄積した既存のFAQなどのデータで構成するSaaS型サービス。
チャットボットがZinraiで言葉の揺らぎや類義語などを認識した上で、企業内に蓄積した問い合わせ対応のナレッジやFAQから関連する情報を抽出し、問い合わせ内容を絞り込みながら的確な回答を導き出す。深層学習型のチャットボットとは異なり、膨大な教師データを事前に学習させる必要がないため、コンタクトセンター業務の自動化を迅速に実現可能としている。また、顧客への応対結果を機械学習していくことで、正解に近い回答を上位に表示するように精度を向上できるという。
チャットボットとオペレーターの連携に関しては、Digital Agentが利用者の意図する回答ができなかった場合に、オペレーターにエスカレーションして有人チャットによる継続対応を実現する「有人チャット運用サービス」を提供。専門スキルを持ったオペレーターがチャットによる継続対応を行うとともに、その中で得た新たなナレッジの精査や蓄積を実施することで、Digital Agent運用開始後の回答精度の維持・向上を実現するとしている。
新ソリューションのメニュー構成は、Digital Agent、コンサル・導入構築サービスとしてAI適用コンサルティングサービス、AIチューニングサービス、スタートアップサービスの3種、稼働運用サービスとして有人チャット運用サービス、ナレッジコンテンツサービス、稼働後支援サービスの3種の計7種類をそろえる。