神戸自動走行研究会、NTTドコモ、日本総合研究所(日本総研)、群馬大学の4者は11月7日、2017年11月から12月までの約2カ月間、神戸市北区において「ラストマイル自動運転移動サービス」の実証実験を実施すると発表した。

走行車両のイメージ

今回の実験は、自動運転車両が実用化した際の用途として期待が高い近距離低速モビリティについて、住民が主体となって実施する自動運転サービスを実証する。有人で低速走行の自動運転車両を用い、最寄りバス停、商店、病院などまでの「ラストマイル」における移動サービスを、地域住民が一定期間体験することによって、用途や利用者数の確認の他、適切な投資コストの把握、自動運転の関連技術の検証などを行う。

また、神戸市は、ドコモとの「ICT及びデータ活用に関する事業連携協定」の中で行う「ニュータウン住民の移動課題に対するICTを活用した解決手法を探索する実証事業」(ICT事業連携協定実証)の一環として、同実験に協力する。なお、同実験は近畿運輸局の指導の下で進めるとしている。

同実験の実施地域は神戸市北区筑紫が丘の町内であり、期間は11月7日~12月24日まで(運休日あり)、時間は午前9時から午後5時まで。対象モニター同地域の住民とし、一部同地域以外の近隣住民も含む。

実証実験の実施地域

運行方法は、2017年11月には路線バス型となる定ルート走行型移動、2017年12月にはオンデマンド型となる呼出走行型移動で実施。車両は、ミニバン車両を改造した自動運転車両2台を使用する。

AI運行バスのイメージ

ユーザーアプリの画面

なお、同実験では対象モニターにWebやアプリで自動運転車両の位置確認や呼出予約が可能な環境を提供する。同実験においては、神戸自動走行研究会は運用主体として、対象モニターや運行車両の管理などおよび、定ルート走行時の車両位置情報の提供を行う。

ドコモは、車両運行で必要となるAI運行バスなどのICTシステムを整備・提供するとのこと。 日本総研は、コンセプト立案から推進支援までの総合的なプロデュースを実施すると共に、実験の調査結果を分析して政策に提言する。

群馬大学は、自動運転車両と自動走行システムを提供するとともに、地元大学である神戸大学との連携体制も模索する。

神戸市は、市内での移動課題に関する情報の提供や、今回の実験で得たデータの有効利用方法の検討を行う。