NECは11月8日、AI活用における検証から導入、活用までをトータルに支援するAI活用プラットフォーム「NEC Advanced Analytics Cloud with 異種混合学習」の販売を開始した。価格は税別で月額90万円~、今後5年間で関連売り上げも含め、100億円を目指す。
同プラットフォームは、AI活用におけるデータサイエンティストによる「検証」、アプリケーション開発者による「導入」、ユーザによる「活用」を包括的に支援し、スキルの異なるプロフェッショナルが協働できるクラウドサービスとして提供する。
これにより、従来課題となっていた検証における多様なエンジン活用のための複雑な構成管理が不要となるだけでなく、導入における分析モデルのAPI化を容易にすることでAIを活用したソリューション開発の迅速化を実現するとしている。
また、同プラットフォームには、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つである「異種混合学習技術」に加え、デファクトスタンダードのオープンソースソフトウェアを搭載し、多様なエンジンから最適な分析手法によるモデル作成を支援するという。
同プラットフォームの特徴として「検証に必要なツールの統合」「検証から導入、活用までが短期間」「データサイエンティストによる活用支援サービスの提供」の3点を挙げている。
検証に必要なツールの統合については、データサイエンティストによる検証のためのプラットフォームとして、対話型UI(Jupyter Notebook)を採用し、異種混合学習技術と多様なエンジン(scikit-learn:Pythonのオープンソース機械学習ライブラリ)を統合し、提供することで、各種アルゴリズムを単一環境で実行可能にしている。
さらに、仮想環境(Docker)を統合して提供することで、複数のユーザが1つの環境を共有できることに加え、サーバ台数を増やすことでシステムの処理能力を高めるスケールアウトができるという。
検証から導入、活用までが短期間で行えることに関しては、検証で作成した分析手順や分析モデルを容易にAPI化できるため、アプリケーションへの組み込みが迅速に行え、検証から活用までを短期間にすることを可能としている。
加えて、同プラットフォームは「NEC Cloud IaaS」上のクラウドサービスとして提供し、同じプラットフォームをオンプレミスでも構築可能としているため、検証はクラウドサービスを活用することで、実際の導入、運用はオンプレミスで利用するなど柔軟な対応ができるという。
データサイエンティストによる活用支援サービスの提供については、同社のデータサイエンティストチームによる実データを用いた分析検証の支援や、継続的な分析業務アウトソーシングなどのサービス提供を通じ、顧客業務で効果の高いAI活用を短期間に実現するとしている。