日本IBM、アドバンテック、オムロン、NEC、日本オラクル、三菱電機の6社は11月6日、「Edgecross(エッジクロス)コンソーシアム(以下、コンソーシアム)」を設立することで合意した。これにより、企業・産業の枠を超え、エッジコンピューティング領域を軸とした新たな付加価値創出を目指し、グローバルで需要が高まるIoT化や、日本政府が提唱する「Society5.0」とSociety 5.0につながる「Connected Industries」の活動に寄与するという。

「Edgecrossコンソーシアム」の概要

Edgecrossは、企業・産業の枠を超え、コンソーシアム会員が共に構築し、FA・ITとの協調を実現するオープンな日本発のエッジコンピューティング領域のソフトウェアプラットフォーム。

主な特徴として「リアルタイム診断とフィードバック」「生産現場のモデル化」「多種多様なアプリケーションをエッジコンピューティング領域で活用」「生産現場のあらゆるデータを収集」「FAとITシステムのシームレスな連携」「産業用PC上で動作」の6点を挙げている。

リアルタイム診断とフィードバックでは、生産現場に近い場所でデータ分析・診断することで生産現場へのリアルタイムなフィードバックを実現し、生産現場のモデル化は生産現場の膨大なデータを階層化、抽象化して管理できるため、人およびアプリケーションによるデータ活用が容易だという。

多種多様なアプリケーションをエッジコンピューティング領域で活用することについては、ITのアプリケーションをFA用途への適用が容易なほか、豊富なラインアップから用途に応じたアプリケーション選択を可能とし、エッジコンピューティング領域で完結したシステム構築を実現するとしている。

生産現場のあらゆるデータを収集する点については、ベンダーやネットワークを問わず各設備、装置からデータを収集が可能。FAとITシステムのシームレスな連携では、クラウドを含めたITシステムとのシームレスなデータ連携によりサプライチェーン、エンジニアリングチェーンの最適化を実現するという。産業用PC上での動作に関しては、さまざまなメーカーの産業用PCに搭載を可能としている。

当初、コンソーシアム活動内容はEdgecrossの仕様策定・普及推進をはじめ、企業・産業の枠を超えた賛同企業がともに協力と協働を行う場の提供などを行う。また、Edgecrossの対応製品の認証やマーケットプレイス運営などによる会員各者の販売支援、学術機関(大学・研究所)、関係団体との連携に取り組む。

今後、11月29日設立予定し、11月下旬~2018年1月中旬にかけて各種展示会に出展する。2018年春からEdgecrossの発売を開始するとともに、マーケットプレイスの運用開始を予定しており。グローバルでの活動も含め、製造業のみならず多様な産業への適用拡大を目指す。