リコーは10月30日、同社の連結子会社で半導体事業を手がけるリコー電子デバイスの発行済み株式の80%を、日清紡ホールディングス(日清紡HD)に譲渡することを決定したことを発表した。譲渡実行日は2018年3月1日付けを予定しているという。

リコー電子デバイスは、1981年にリコーの事業部門として活動を開始、2014年10月に分社化され、現在の社名として活動してきた。同社はCMOSアナログ技術を武器に、携帯機器向け電源ICや、車載・産業機器向け電源IC、リチウムイオンバッテリー向け保護ICなどのほか、リコーのプリンタ・複合機などの画像処理デバイスなども手がけてきた。

一方の日清紡HDは、半導体とマイクロ波に特化して事業を展開する新日本無線を子会社に持ち、汎用リニアICやマイクロ波機器などの製品を提供してきた経緯がある。今回の株式譲渡は、そうしたアナログ半導体事業のノウハウおよび経営基盤に、リコー電子デバイスのアナログ半導体事業を組み合わせることで生み出されるシナジーが、リコー電子デバイスの将来にわたる持続的な発展と企業価値の向上のために有効であると日清紡HDとしては判断したことから、合意に至ったと同社では説明している。

なお、今回譲渡されるのはリコーが保有するリコー電子デバイスの株式のうち、発行済株式の80%であり、リコーでは、今回の株式譲渡後も、インフラサービスなどの提供を通して、グループ関連会社(持分法適用会社)としてリコー電子デバイスを引き続き支援していく方針と説明している。