東芝は27日、2014年12月より大学、病院臨床部門、製薬企業などの研究機関向けに実施してきた、日本人ゲノム解析ツール「ジャポニカアレイ」を用いたゲノム解析サービスに関して、今回、ゲノム解析で有効な一塩基多型(SNP)、ヒトの免疫に関わるHLA領域、および疾病関連のSNPを増強した「ジャポニカアレイ v2」を用いたサービスを開始したことを発表した。
ジャポニカアレイを用いたゲノム解析サービスは、同社のライフサイエンス解析センターにて、研究機関から送付された血液、唾液、DNA検体などから研究機関向けに個人ゲノムの多様性を解析するサービス。
また、ジャポニカアレイは、東北大学東北メディカル・メガバンク機構が構築した「全ゲノムリファレンスパネル」を基に、COI東北拠点が開発した、日本人向けのゲノム解析ツール。米・サーモフィッシャー・サイエンティフィック製のAxiomプラットフォームを採用し、日本人に特徴的な塩基注6配列を持つ約67.5万箇所のSNPを1枚のチップに搭載することで、短時間での遺伝子多型解析を実現する。また、その解析結果から約30億塩基の全ゲノム構造を疑似的に再構成(インピュテーション)できる設計となっている。
今回、新たにサービスを開始した「ジャポニカアレイ v2」では、自己免疫疾患や臓器移植の際の移植片対宿主病など、様々な疾病と関連が知られるHLA領域のSNPを約7,000個(従来のジャポニカアレイの約2倍)に増強している。
東芝は、この解析結果を研究機関に提供することにより、日本人における疾病や形質等と遺伝子多型との関連性を解明する研究を進展させ、個別化予防・個別化医療の実現のさらなる加速や、この分野における日本の国際競争力向上に貢献していくとしている。
なお、「ジャポニカアレイ v2」はCOI東北拠点によりバージョンアップされたものであり、ジャポニカアレイの特徴である全ゲノムインピュテーションの性能を引き続き兼ね備えている。