福井県と石川県の県境に位置するあわら市・坂井市・永平寺町・勝山市・加賀市の4市1町で構成される越前加賀インバウンド推進機構は10月26日、NECとNECネッツエスアイおよびJTBプロモーションと共同で、越前加賀エリアにおけるICTを活用した訪日外国人向け観光支援基盤システムを構築したことを発表した。
同システムは、越前加賀エリアを訪れる外国人観光客の属性情報(性別、国籍、年代、旅行目的など)や位置情報などをリアルタイムに収集・統合し、スマートフォン対応アプリやデジタルサイネージなどを通じて、外国人観光客や受け入れ事業者(宿泊施設・商業施設など)向けに利便性の高い観光情報サービスを提供するというもの。今後4年間にわたり、外国人観光客向けのおすすめ観光情報の提供や観光名所のスタンプラリーなどのサービス、受け入れ事業者向けのコミュニケーション支援などのサービスを提供していく。
具体的には、外国人観光客の情報を収集・統合する「マーケティングデータ収集基盤」を中核とし、各種サービスを提供する「越前加賀ナビゲーションアプリ」や「施設向けチェックインアプリ」、「デジタル情報スタンド」から構成される。
マーケティングデータ収集基盤は、越前加賀エリアを訪れる外国人観光客の属性情報や位置情報などをリアルタイムに収集・統合し、外国人観光客の動向を分析するための仕組みを提供。受け入れ事業者や自治体は、これらのマーケティングデータを活用することで、外国人観光客への快適な観光体験を実現するための観光施策の立案が可能になるという。
越前加賀ナビゲーションアプリは外国人観光客向けのアプリで、マーケティングデータ収集基盤や越前加賀エリアの交通情報との連携により、おすすめの観光情報・周遊ルートの閲覧機能や、各観光名所を巡るスタンプラリー機能を提供する。日本語・英語・繁体語・簡体語・タイ語に対応しており、オフラインの情報閲覧も可能だ。
施設向けチェックインアプリは受け入れ事業者向けのアプリで、指さし会話により外国人との基本的なコミュニケーションを可能とする多言語案内機能や、越前加賀エリアの観光情報・紹介動画・アンケートなどの配信機能を提供する。これにより、受け入れ事業者は外国人観光客とスムーズなコミュニケーションが可能となり、外国人観光客へのおもてなしサービスの向上を実現できるという。
デジタル情報スタンドは、従来、紙のカタログで陳列していた観光情報を大型ディスプレイ上にデジタルコンテンツとして表示する自治体向けデジタルサイネージ。画面をタッチして選択するだけの簡単な動作で、観光情報の詳細をスマートフォンにダウンロードして閲覧することもできる。