政府は24日、がんによる死亡率を下げるために予防と検診体制を強化することなどを盛り込んだ「第3期がん対策推進基本計画」を、同日開かれた閣議で決定した。がん検診受診率を50%に引き上げることなど多くの具体的目標を定めている。
第3期がん対策推進基本計画には、①がん死亡率を下げるために予防と検診体制を強化する②現在30~40%のがん検診の受診率を50%にし、がん罹患の疑いがある場合の精密検査受診率を現在の65~85%を90%に高めることを目標にする③個々の患者に最適医療を提供するための「がんゲノム医療」を推進する④患者の入院、通院時の療養生活を支える「チーム医療」の体制を強化する⑤高齢患者に適した診療ガイドラインを策定してがん治療拠点病院などに普及する⑥治療と仕事を両立させるために医療機関が企業と連携するためのマニュアルを3年以内に作成し、普及を開始するーなど多くの重点分野で具体的な目標が明示されている。
がん対策推進基本計画は、2007年に施行された「がん対策基本法」に基づいて専門家らが策定し、がん予防などに関する国レベルの課題や目標の達成時期を示す。今回は3回目で、今後6年間での目標達成を目指している。これを受け各都道府県が地域の実態に合わせた計画を作ることになっている。厚生労働省(厚労省)は第2期の計画に基づいて15年末に「がん対策加速化プラン」をまとめ、市町村で実施される検診受診率の公表や受動喫煙防止対策強化などを求めていた。
第3期がん対策推進基本計画をまとめる過程で厚労省は「受動喫煙にさらされる人の割合をゼロにする」との目標も盛り込むことを目指した。しかし今回の解散総選挙前の時点で与党・自民党から異論が出たことなどから今回の計画には盛り込まれなかった。
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