アイディアと国際電気通信基礎技術研究所(ATR)は10月23日、けいはんなATRファンドの出資を得て、船舶航行支援システムの共同開発で合意したと発表した。ATRが開発したユビキタスネットワークロボット(UNR)プラットフォーム技術を応用した、多数の船舶の航行を支援する技術により、将来は多くの船舶が往来する港湾などの安全を確保するためのキーテクノロジーになるという。
アイディアは、船舶の操船を支援する船舶動静共有航行支援システムの開発を行い、既存の電子装備機器であるAIS/レーダー/GPS Plotter/無線などに代わる、新たな船用システムとしての普及を目指している。
このシステムにATRの研究開発成果であるUNRプラットフォーム技術を組み合わせることで、スマートフォンなど多くのIoTデバイスからのデータ連携の安定稼働と操船者への分析処理結果のリアルタイム提供を可能にする新たなシステムを開発すると共に、船舶航行分野での新たな支援システム利用の普及促進を検討していく。
今回の取り組みにあたりアイディアは、けいはんな学研都市ATRベンチャーNVCC投資事業有限責任組合(けいはんなATRファンド)からの出資を得る。同組合は、ATRが持つ技術シーズの事業化を目的に、日本ベンチャーキャピタル(NVCC)が無限責任組合員として2015年2月に設立したファンド。産業革新機構をはじめ、新生銀行や京都銀行といった民間金融機関や、住友電気工業やKDDIなどの事業会社が出資している。