トヨタ自動車は10月23日、全国ハイヤー・タクシー連合会と4月に開始した実証実験の成果として、東京都で走行する500台のタクシー車両に搭載した通信型ドライブレコーダー「TransLog」から収集される走行画像や車両データを解析し、その結果から得られる「レーン別渋滞情報」を、スマートフォン向けナビゲーションアプリ「TCスマホナビ」に配信するサービスを、2018年春から開始すると発表した。
同社は、2002年に車載通信機(DCM)を実用化、2005年からレクサス車に標準搭載およびトヨタ車にオプション搭載を開始し、エアバッグ作動時の緊急通報サービスや、ナビ地図データの自動更新、オペレーターサービスなどを提供している。2011年からは、DCMから収集された走行データを用いた、ビッグデータ交通情報サービスを「Tプローブ交通情報」として、純正ナビゲーションシステムやTCスマホナビに提供している。
今回、開発したレーン別渋滞情報は、これまでのサービスを補完するものとなり、TransLogから収集された走行画像データを、AI(人工知能)を用いて解析することにより、車線ごとの混雑情報を提供するという。
これにより、従来の交通情報では、道路の区間単位でしか認識できなかった渋滞状況が車線単位で認識でき、その状態を画像でも確認を可能としている。
今回の実証サービスにおいて、情報の提供範囲は東京都心部であり、TCスマホナビのみからの利用となるが、ユーザーの利用状況や各種の技術的評価を行い、提供地域に加え、利用できる情報端末を拡大することも検討していく。
また、タクシーの走行画像データからは、工事規制や事故車両の情報、路上の障害物、駐車場の満空状況、道路沿いの店舗の混雑状況など、さまざまな情報が得られ、同社はそれらの情報をリアルタイムに抽出し、新たな交通情報サービスとして提供する開発を進めているという。