日本ヒューレット・パッカードは、米ヒューレット パッカード エンタープライズ(HPE)が、製造工場におけるアプリケーションの導入を大幅に簡素化し、従来型アプリケーションによる運用とスマートファクトリーアプリケーションによる運用の統合を可能にする新しいプラットフォーム「Express App Platform - Manufacturing」をリリースしたことを発表した。現在、ヨーロッパ、中東、アフリカ各地のHPEから販売されており、グローバルでの販売開始は2017年末を予定している。
製造プロセスをデジタル化すると、運用コストの削減や柔軟性の向上、新たな収益源の開拓などのメリットにつながる一方で、製造実行システム(MES)といった従来のアプリケーションを最新のものに置き換えることは、複雑かつ困難であった。また、アプリケーションをクラウドで実行することは、デジタル化を推進させる反面、データ保護、費用、遅延などの課題が伴う。
「Express App Platform - Manufacturing」は、クラウドアグリゲータである「Cloud28+」と連携するオンプレミスソリューションである。同プラットフォームを活用することで、メーカーは現在の運用を中断することなく、製造工場のデジタル変革を推進させることができる。新旧両世代のアプリケーションを工場内で運用する単一プラットフォームで実行することで、製造工場のデジタル変革を容易にし、レガシーアプリケーションや自社開発アプリケーションを別々にホスティングする必要性が軽減される。
同プラットフォームは、シームレスに自動化されたプロセスにより、わずか6クリックで「Cloud28+」のカタログからアプリケーションを導入することができる。ハイパーコンバージドインフラである「HPE SimpliVity 380」をベースとする同プラットフォームは、「Express App Platform Intelligent Agent」を組み込み、「Cloud28+」のカタログから選択されたアプリケーションを安全にダウンロードし、Kubernetes に管理されたDockerコンテナ技術により、工場内の「Express App Platform」環境に自動的に展開する。また、インフラ自動化ソフトウェア「HPE OneView」が必要なリソースのプロビジョニングと管理を自動化する。さらに、バックアップ機能と災害復旧機能を実装し、高いデータ完全性および可用性を確保するとしている。
さらに、製造実行システムや先進プランニングおよびスケジューリングといった工場と生産ラインをサポートする製造運用管理アプリケーションだけでなく、IoTアプリケーションにも最適化されている。メーカーは、これらのアプリケーションを工場の現場で直接実行することで、運用管理と機械制御系システムとを統合し、センサーデータインテリジェンスによる製造プロセスの俊敏な自動化が可能となるということだ。