MathWorksは、エンジニアや研究者が簡単にモデルの設計・学習・配布を行えるようになるディープラーニングの新機能を追加した、MATLAB/Simulink製品ファミリーの最新リリース「Release 2017b(R2017b)」を発表した。同リリースには、Simulinkの追加機能、「Text Analytics Toolbox」などの新製品のほか、更新およびバグ修正が行われた86製品も含まれるという。
R2017bでは、「Neural Network Toolbox」に、有効非循環グラフ(DAG)および長期短期記憶(LSTM)ネットワークなどの複雑なアーキテクチャのサポートが追加された。これによって、GoogLeNetなどの一般的な事前学習済みモデルへのアクセスが可能になった。また、「Computer Vision System Toolbox」の画像ラベル付けアプリケーションによって、イメージのシーケンス内のグラウンドトゥルースデータにラベルを付けることができるようになり、オブジェクト検出のワークフローに加え、画像内のピクセル領域を分類し、セグメンテーションもサポートされるようになった。
さらに、新製品「GPU Coder」は、ディープラーニングモデルをNVIDIA GPU用CUDAコードに自動変換する。同社のベンチマークによると、ディープラーニングインタフェース用に生成されるコードのパフォーマンスは、配布モデルにおいて、「TensorFlow」の7倍、「Caffe2」の4.5倍であるという。
そのほか、最新リリースではMATLABによるデータ解析、Simulinkによるリアルタイムでのソフトウェアのモデリング、Simulinkによる検証と妥当性確認ツールなどのアップデートも行われている。
MathWorks MATLABマーケティングディレクターのDavid Richは、「R2017bを使用すれば、MATLABの使用をディープラーニングまで拡張できるため、設計プロセス全体の管理を向上させ、より高品質の設計を、短時間で作成できるようになる」とコメントしている。