NTTデータは10月19日、レッドハットおよびEMCジャパン(Dell EMC)と連携し、既存IT資産のデジタル化を推進する基盤を一般企業に向けて提供開始すると発表した。また、今後コンテナ技術をベースとするPaaS基盤の提供を予定し、そのための共同検証を実施するという。2018年度以降に企業へのPaaS基盤の提供を開始するとともに、グローバル市場への展開を進め、2020年度中に200億円の売上を目指す。
協業の目的は、トラディショナル領域の既存のIT資産に対し、デジタル化を推進する基盤を顧客に提供すること。トラディショナル領域で必要とされる高い信頼性や性能などを確保しつつ、高速かつ移行しやすいシステム開発を可能にすることで、トラディショナル領域の既存のIT資産のデジタル化に貢献するとしている。
第1段階として、NTTデータは2017年に統合開発クラウドの全社展開を実施。これは、Dell EMCのハードウェアとレッドハットのクラウドプラットフォームソフトウェアであるRed Hat OpenStack Platformを統合することで、高速かつ安定性の高い開発環境の提供を可能にしたという。
現在は第2段階として、金融機関向けクラウドサービスである「OpenCanvas」をはじめ、統合開発クラウドで検証した基盤の商用システムへの導入を進めている。
これにより、NTTデータの顧客が既存のIT資産を安全かつ高速にクラウドプラットフォームへ移行することが可能になるほか、3社提供の体制を構築することで商用導入をスムーズかつ確実に行ない、システム開発から保守までトータルな顧客サポートを実現するとしている。
今回の協業において、NTTデータは多様な適用ケースから得たノウハウのソリューションへの集約と、顧客への商用導入におけるシステムインテグレーションを行う。Dell EMCは、Red Hat OpenStack Platformなど、レッドハットのソフトウェアと同社のハードウェアを統合した製品を、保守サービスとともに提供する。レッドハットは、Red Hat OpenStack Platformなどの技術提供と導入後のソフトウエアのサポートを行う。
今後、3社は大規模なリソース管理と開発運用の効率化に向けて、Kubernetesを利用した包括的な企業向けコンテナアプリケーションプラットフォームであるRed Hat OpenShift Container Platformの統合開発クラウドへの適用を予定している。
2018年度は、既存アプリケーションの移行に対する実現可能性および大規模システムに求められるパフォーマンス、キャパシティの検証を行う。こうした技術検証によって得た知見と、「everis cloud solutions」などNTTデータグループのコンテナベースクラウドのノウハウを取り入れることで、新たな基盤ソリューションを構築していく方針だ。