2017年10月18日から21日にかけて愛知県のポートメッセ名古屋にて開催されている西暦奇数年における国内最大規模の工作機械展「メカトロテックジャパン2017(MECT2017)」において、三菱電機は、発表したばかりの油加工液仕様中形ワイヤ放電加工機「MX2400」のデモなどを行っている。

MECT2017の三菱電機ブースの様子

MX2400は、同社の超高精度機MXシリーズに位置付けられるもので、高推力シャフトリニアモータと超高剛性リニアガイドの採用によりウェービングを低減させたほか、熱源分離構造を採用することで、長時間加工での高精度加工を実現しており、100時間を超える直径400mm大径加工であっても、真円度2μmを実現できるとしている。

さらに、ノズル離れや油中結線、断線点挿入などあらゆるシーンでの自動運転を可能とする「自動結線」の機能や、形彫放電加工機で培った油加工電源制御技術と水ワイヤ加工の高速加工制御を融合した専用電源「nPV電源」の採用による高精度化や、治具研削盤と比較して14%の加工時間短縮を実現としたとする。

このほか、リモートサービス「iQCare Remote4U」の活用も可能であり、見える化によるプロセス改善やリモート診断も可能となっている。

ハイエンド放電加工機に位置付けられる「MX2400」。直径400mmの大型加工を高精度で行うことが可能。これにより、EVのモーターの高性能化などに貢献できるという

ちなみに同社では、ターゲット市場の1つとして、電気自動車(EV)の高性能化に必要なモーターを上げている。EVの性能を向上させるためには、モーターの高性能化が必須であるが、そのためには大型化などが必要となる。しかし、従来の放電加工では、こうしたニーズの対応が難しかったことから、今回、新たにMX2400を開発することで、そうしたモーターに必要な金型の製造ニーズに対応をしていきたいとしている。