富士通は10月18日、福島県会津若松市からの委託により、中山間地域特有の地理的条件に起因する地域コミュニケーションなどに関する課題を解決するため、中山間地域生活支援システムを構築したことを発表した。

会津若松市は、市域の約45%を山林が占め、広大な中山間地域を有しており、同地域ではその地理的特性などから、少子高齢化の進行などが重要な課題となっている。そのような地域課題を解決するため、会津若松市は国の地方創生推進交付金を活用した「ICTを活用した中山間地域の永続的な支え合いの地域づくり事業」の一環として、各家庭のテレビを活用し、市政情報や地域情報、防災情報などの配信や、生活に便利な情報の提供により、利便性の向上を目指す中山間地域生活支援システムを構築した。

同システムでは、振興山村地域に指定されている同市内の湊町全域にADSL回線や公衆Wi-Fi網によるインターネット環境を整備。各家庭のテレビに専用のセットトップボックスを設置し、富士通が開発した同システムをインターネットで接続することで、パソコンやスマートフォンがなくても、自治体や地域が発信する様々な情報をテレビで閲覧することを可能にする。

今回提供される情報として、「市政情報」では会津若松市様が運用しているホームページや、地域情報ポータルサイト、「会津若松+(プラス)」との連携による市政情報を、「地域情報」では湊地区地域活性化協議会が中心となって発信する地域の催しなどの情報を、「防災情報」では会津若松市様が発信する防災情報を、「暮らしの情報」では日々の暮らしに役立つ道路情報や地域の連絡先などの生活情報を提供する。