市場動向調査企業である米Gartnerは10月12日(米国時間)、2017年の半導体市場規模が、前年比19.7%増の4111億ドルになるという予測を発表した。同社は、今年年頭の予測として同7.7%増としていたが、その後、5月および7月にも予測の上方修正を発表しており、今回で3回目の修正となる。

ちなみに、今年の年頭時点における他の市場予測としては、VLSI Researchが同6%、IC Insightsが同5%、WSTSが同3.3%としていたが、いずれもGartner同様、上方修正を行っており、従来は年2回、春季と秋季という形で予測を発表してきたWSTSでさえも、今年は8月に例外的な形としながらも上方修正を発表している。こうした修正により、いずれの市場予測も成長率が16~17%へと引き上げられたが、こうした修正が続く背景には、メモリ価格の高騰が年間を通してこれほど長く続くことが読めかなった点にある。

今年の成長率は、リーマンショック(金融危機)後の回復を反映した2010年の成長率31.8%に次ぐ高さになるとGartnerは説明している。成長のけん引役はメモリで、その成長率は同57%増という高い成長を遂げる見通しだ。メモリの供給不足、その中でもとりわけDRAMの供給不足はいまだに続いており、結果、メモリ価格もいまだに上昇を続けている。こうした動きを受けてGartnerの調査担当ディレクターであるJon Erensen氏は「第4四半期に入り、さらなるメモリ価格の高騰と供給不足が懸念されている。このため電子機器のカテゴリ全体で部品コストが上昇しており、最終製品の価格も値上がりを始めている」と述べている。

また、メモリ以外でも、イメージセンサやそれ以外のセンサ、アナログ、ディスクリートなども好調で、いずれも2017年の市場規模が前年比で10%以上成長する見通しだという。

なお、2018年以降の半導体市場はどうなるかについてGartnerでは、2018年は同4%増の4274億ドルとみているほか、2019年は、それまでの2年間の拡大の反動により同1%減となるとしている。