千葉大会で室屋義秀選手が2年連続優勝し、注目を集めたレッドブルエアレース。その年間8戦の最終戦となるインディアナポリス大会が10月14日・15日(日本時間15日・16日未明)に開催され、室屋選手は見事優勝。そして年間ポイントでもトップになり、日本人初の全館チャンピオンに輝いた。
前回記事で紹介したように、室屋選手は今年7大会中3大会で優勝したものの、年間ポイントではトップのマルティン・ソンカ選手(チェコ)と4点差の2位。年間チャンピオンになるには室屋選手が優勝してソンカ選手が3位以下、あるいは室屋選手が2位でソンカ選手が4位以下といった条件だった。
前日の予選の結果、室屋選手は初戦の「ラウンド・オブ14」でソンカ選手と直接対決という組み合わせになった。室屋選手はこれに見事勝利しソンカ選手の自力優勝を消し去るかと思われたが、ソンカ選手は7組の敗者のうち最もタイムが速かった「最速の敗者」となったため、首の皮1枚で復活。2回戦の「ラウンド・オブ8」に両者勝ち残った。
「ラウンド・オブ8」に両者が進んだため、室屋選手の年間チャンピオンへの勝利条件は最低でも決勝戦の「ファイナル4」に進出することとなったが、両者とも勝利。決勝戦の「ファイナル4」に勝負がもつれ込んだ。
「ファイナル4」で室屋選手は1番最初に飛行し、1分3.026秒という今大会最速記録を樹立。ソンカ選手の飛行順は最後だったため、シーズン最後の飛行までチャンピオンがわからないという異例の展開になった。しかしソンカ選手は室屋選手の記録を破ることができず4位に終わり、室屋選手のインディアナポリス優勝が確定。さらにポイントでもソンカ選手を上回り、年間チャンピオンも決定した。
大会には同じインディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催される「インディ500」で今年優勝した佐藤琢磨選手も応援に駆け付けていたが、室屋選手の優勝で日本人ダブル優勝という快挙を達成した。「インディ500」の慣例に従って、優勝した室屋選手はサーキットのレンガにキス。そして佐藤琢磨選手も揃って「ダブルキス」という奇跡の光景を見ることができた。
なお、レッドブルエアレースのマイナーリーグであるチャレンジャークラスは、女性初のエアレース選手であるメラニー・アストル選手(フランス)が大会優勝した。
大会の詳しいレポートやレッドブルエアレース今後などについては、追って記事を掲載する予定だ。