クラウディアンは10月16日、スウェーデンのアクシスコミュニケーションズが提供するネットワークカメラ用のクラウドストレージAPI対応コネクタ「CLOUDIAN S3 IP Camera」を開発し、大量の映像データを長期保管できるオブジェクトストレージ製品「CLOUDIAN HYPERSTORE」との接続を可能にしたと発表した。
CLOUDIAN S3 IP Cameraは、既存のアクシスのネットワークカメラにダウンロードしてインストールすることができるアプリケーションとなり、同社がアクシスのアプリケーション開発パートナープログラムを通じて、アクシスのACAP(AXIS Camera Application Platform)に対応する形で開発した。
同社が提供するスケールアウト型オブジェクトストレージ製品「HYPERSTORE」はAmazon S3 APIに準拠しており、最小構成3台のノードからPB(ペタバイト)超級のデータも保存できるAmazon S3と同等のクラウドストレージシステムを顧客のデータセンター内に構築・運用を可能としている。
CLOUDIAN S3 IP Cameraをアクシスのネットワークカメラにインストールすることで、撮影映像をインターネット経由でHYPERSTOREに直接保存し、オンライン活用を可能にしつつ、長期間、経済的にアーカイブできるソリューションを実現したという。これにより、ユーザーは「容量制限を気にせず映像データをアーカイブ」「効率的な映像データ伝送」「多目的に活用できるエコシステム」の3点のメリットを得るとしている。
HYPERSTOREには従来型NAS装置のような容量制限がないためノードを追加するだけで自動的に全体のストレージシステムの容量の拡張が可能。装置の置換や、データ移行といった手間なしに、大量の映像データを長期間アーカイブし、オンライン活用も可能としているほか、強固な認証システム、SSL通信、Server Side Encryption(データの暗号化機能)により、守秘性の高い映像も安全に保管することができるという。
S3 APIは、マルチパートアップロードAPIにより映像・画像といった大きなファイルを細かく分割して送信。ネットワーク障害により途中で送信が途切れても、全体を再送する必要がないため、4K/8Kといった高精細・大容量映像を無線インターネット環境でも送ることを可能としている。
また、アナリティクス、ビッグデータ、ビジネスインテリジェンス、AIなどの分野において、Amazon S3 APIを使うサービスやアプリケーションは数多く登場し、エコシステムを形成している。そのため、同API互換のHYPERSTOREに映像・画像を保管することで、これらのエコシステムを活用できる幅が広がるという。
特に、AI分野で注目されているディープラーニングによる高度な画像認識技術により、映像内に映っている人や物の物体認識ができ、物体にタグ情報を自動で生成・付加することが可能。タグ情報をカスタマイズして付加できるHYPERSTOREのメタ情報機能を活用すれば、必要な映像を短時間に検索することができるという。