富士通は、電子部品・デバイス・電子回路製造業の顧客向けに、「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA Service SMT-Assist(以下、SMT-Assist)」を販売開始した。
「SMT-Assist」は、同社のノートパソコンを製造している島根富士通で、プリント基板に電子部品のはんだ付けを行うSMTラインにおいて、マウンターに装着するリール状の電子部品の段取り替え作業を効率化する仕組みを活用し、30%程度の生産性向上を実現するソリューション。
顧客ニーズの多様化により、大量生産から、フレキシブルな生産方式を実現するものづくりへの変革が求められている一方で、マウンターを保有する事業者においては、小ロットでの生産を行うと、リールの段取り替え作業が多くなるなど生産効率の低下が課題となっている。
同ソリューションは、リール1巻ごとにバーコードでIDを付与し、入庫、ピッキング、マウンターへの取り付け、マウンターでの実装実績を設備側の情報と照らし合わせて収集することで、リールの所在や在庫数を正確に把握することができる。在庫管理を総合的かつ適切に行うことで、リール在庫の過不足を抑制し、コスト削減を実現するという。
また、リール部品の段取り替え作業を、設備の清掃や目視点検などの付帯作業を含めて作業者の役割ごとに分類し、作業指示として作業者が持つハンディターミナルに表示することで、作業の標準化を実現。これにより、どのマウンターにどのリールを装着するか、システムからの指示に基づき作業することができ、属人化および作業もれやミスを防止し、生産品質が向上するという。
さらに、マウンターに装着された個々のリール部品の残量や、取り付けるカセットの使用実績を監視することで、設備の停止を予見し、防止することができるようになっている。リールの投入計画に対しても、段取り替え時間が最小になるようにリール在庫の引き当てを計算することができ、設備稼働率を改善することで30%程度の生産性向上を実現するということだ。