ミズノは10月13日、耳たぶに装着する脈拍計である「MiKuHa(ミクハ)」を開発し、プロトタイプを完成させたと発表した。2018年春の販売に向けて研究開発を進め、想定販売価格は3万円台(税別)。
新製品は、センサーの装着場所を耳たぶにすることで、運動時の不快感低減や高精度な計測を実現している。取得した脈拍データは専用アプリケーションと連動させてクラウドで管理することで、運動の成果やコンディショニングに利用できるという。
また、複数人のデータを同時に処理でき、スマートフォン1台につき最大6名まで接続が可能。7人以上の場合はBluetoothを利用するビーコン中継器との連携により、遠隔での計測や環境センサー・医療機器など、多様なIoTデバイスとの連携が行える。
同製品の特徴は「耳たぶ装着タイプのため幅広いシーンで使用可能」「クラウドでの情報一元管理」の2点。
同製品は耳たぶに装着するタイプであり、胸周囲に巻き付けて計測するタイプと比べ、運動の妨げになりにくく容易に装着できるという。加えて、イヤーセンサー/本体ともに頭や首周辺への取り付けが可能なため、プールで行うウォーキングやアクアビクスなどでも計測を可能としている。
さらに、独自のアルゴリズムにより運動時の振動によるノイズを除去し、加えて脈の検出に影響を及ぼす太陽光が入りにくいようセンサー部を耳たぶ接触面のみに設けることにより、腕時計タイプと比べ、屋内外問わず高精度なデータ計測ができる。
クラウドでの情報管理に関しては、最大6人まで同時に画面表示でき、脈拍データに基づき運動強度を表示する。7人以上の場合はラピスセミコンダクタの無線モジュールを使用し、遠隔での計測や多様なIoTデバイスとの連携を実現するという。
収集したデータはPCから一元管理でき、長期的な体力の変化や体調管理が可能としている。なお、東京都健康長寿医療センター研究所 運動科学研究室長の青栁幸利博士が提唱する、運動強度と病気の予防の関係を確認することもできる。
今後は、総務省のIoTサービス創出支援事業「子どもの運動習慣データを基盤としたスマート運動教育モデル事業」(2017年11月開始予定)、クオリカが研究開発中の工事現場向けIoTヘルメットである「AiboQube(アイボキューブ)」での脈拍情報センシング利用の検証(同冬以降)、ミズノグループが管理・運営する施設における各種スポーツ・プログラムでの利用による新たなサービスの提供(同冬~)などの、実証実験・検証を予定している。