マイクロソフトは、オーストラリア、中国、香港、インドネシア、インド、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、台湾、タイの金融機関のビジネスリーダー(日本の115名を含む1,494名)に行った調査結果を公式ブログでレポート。回答者の81%がデジタル化が重要だと認識しながら全体戦略があるのは31%、まったく戦略が無いが16%などアジアにおける金融機関のデジタルトランスフォーメーションの状況を掲載している。

回答者の大半を占める81%がデジタル化が重要だと認識しながら、全体戦略があるのは31%、まったく戦略が無いが16%と、なかなか簡単にデジタル変革がうまく行かない状況が浮かび上がる。その障壁として、もっとも回答が多いのがサイバーセキュリティ上の脅威。経済環境や組織のリーダーシップ不足や計画実行技術不足といった項目が次に並んでいる。

アジアにおける金融機関のデジタルトランスフォーメーションの障壁(同社公式ブログより)

信用が何よりも大事な金融機関。サイバー攻撃などのセキュリティが最優先事項となるのは必然だが、同社ではIT管理者の87%が長期的にはクラウドが安全になると考えていることや、セキュリティやプライバシー、コンプライアンスについて柔軟なソリューションを通して金融機関組織のデジタルソリューションに貢献できることを述べている。日本においても、多くの金融機関のデジタルトランスフォーメーションを実現している。

三井住友銀行ではOffice 365やAzureを使った行内従業員のワークスタイル変革、三井住友フィナンシャルグループでは、AIやMicrosoft Cognitive Toolkitを活用した対話型自動応答システムによる照会回答サービスの効率化、セブン銀行ではAzure上で開発したスマホアプリによる海外送金サービス、北國銀行では2018年夏開始予定のAzureと勘定系システム連携の「北國クラウドバンキング」。またInsTech(Insurance+Technology)に取り組む第一生命保険は、"健康第一"アプリの開発から運営までをPaaSで構築している。

また同社は、調査結果からデジタルトランスフォーメーションの分野からアジアの金融機関が捉える優先順位が

1.お客様とつながる
2.業務を最適化
3.社員にパワーを
4.製品の変革

となることも発表している。ビジネスにおいて顧客接点が非常に大事なポイントとなるのは、金融機関でも同様で、1980年から1990年に生まれた世代では現在利用している銀行を使い続けるユーザーが半分未満。サービス品質や利便性で別の銀行に変えようとするユーザーが増えている他のレポートも引用している。