10月6日(米国時間)、Threatpostに掲載された記事「U.S. Top Law Enforcement Call Strong Encryption a 'Serious Problem' |Threatpost|The first stop for security news」が、米国の最高法執行機関および政策立案に関係する人物らが強力な暗号機能を使った通信などを「深刻な問題」と懸念していると伝えた。インスタントメッセージングなどの通信が暗号化されることで、その内容を法執行機関が調べることができないことで公安が脅かされていると指摘している。

暗号化技術は盗聴を回避して安全な通信を行うために重要な技術と考えられており、現在のネットワークを利用したさまざまな商取引において欠かせない技術となっている。法執行機関の関係者はこうした重要性を認識する一方、通信の暗号化により法執行機関がこれまで犯罪を明らかにするために行ってきた情報収集が困難になっていることに強い懸念を示している。

法執行機関はITベンダーに対し、バッグドアを設けるように求めているのではなく、法的な要求に対して適切な情報提供ができるよう、システム開発の段階から設計を行うなど、法に対して責任を果たすように求めている。

こうした法執行機関の懸念に対するITベンダーの反応はさまざまで、Aopleなど反対の意向を表明するケースもある。暗号化通信が日常的に使われている現状は短期間に進んでおり、法整備が追いついていない状況がある。暗号化が今後の技術開発および法整備における検討材料になっていくことが予想される。