富士通は10月10日、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループと共同で、ブロックチェーン技術を活用した個人間送金サービスの実証実験を2018年1月から約3カ月間実施することで合意し、実証システムの開発に着手したと発表した。
昨今、コンピュータの性能向上やAI、ブロックチェーンなどの関連技術の革新により、デジタル化の潮流が拡大しており、金融業界においてもFinTechに象徴される先進技術を活用した新サービスが多く登場している。そのような状況下において、同社は幅広い顧客基盤を持つメガバンク3行と多様化する個人間送金をテーマに、新たなサービスの創出を検証するための実証実験を開始する。
今回の実証実験において富士通は、メガバンク3行が共通利用可能な個人間送金のためのクラウド上のブロックチェーン基盤と、送金や入出金の手続きを簡単に行えるスマートフォン用アプリケーションを開発。
4社は、同基盤上に設けた個人用送金アカウントと実際の預金口座間のシームレスな連携、個人用送金アカウント間での価値移転、およびクリアリング(個人間送金アカウント間で発生した送金を精算し、銀行間の決済額を計算すること)、セトルメント(クリアリングで算出した額を銀行間で受け払いし、決済を完了させること)も含めた一連の処理を、正確かつ安全に実施できることを検証する。
また、サービス利用時の使い勝手のよい認証ユーザーエクスペリエンスや、利便性向上を実現する具体的な操作性や機能を検証するという。実証システムの構築は9月~12月、実証実験は2018年1月~2018年3月までを予定している。