近畿大学(以下、近大)と豊田通商は、持続可能な完全養殖魚「近大マグロ」および完全養殖ブリの本格輸出を開始すると発表した。
このたび海外輸出を開始するのは、近大と豊田通商による完全養殖クロマグロ「近大マグロ」と、近大が技術支援する食縁にて生産される完全養殖ブリの2種類。今後は他魚種の取り扱いも視野に入れている。
昨今、クロマグロは天然資源の枯渇が懸念されており、2014年に絶滅危惧種に指定されるなど日本国内でも漁獲規制の強化が進んでいる。また、ブリは主に日本国内での需要が大半ながら、近年の和食ブームに伴って世界における需要が高まっているという。
近大と豊田通商は、2010年7月にクロマグロの完全養殖事業における技術協力提携を結び、クロマグロの中間育成事業を開始した。2014年7月には両社で水産養殖事業推進に関する覚書を締結し、クロマグロの人工種苗生産を開始。同年12月には、成魚「近大マグロ」として生産販売を開始した。この輸出事業は同覚書で合意した取り組みのひとつで、まずは東南アジアから輸出を開始し、2020年に約2,000尾の輸出を目指していく。
同事業に伴い、10月11日~13日に幕張メッセで開催される「第1回“日本の食品”輸出EXPO」において、「近大マグロ」と完全養殖ブリを出展し、国内外のバイヤーとの商談を行う予定となっている。