日立システムズは10月4日、上下水道用製品を開発するトミス、各種インフラ整備を行うイートラストなどとともに、マンホールを所有、管理している企業や自治体に向けて、蓋の開閉状態や内部の有毒ガス発生有無、水質・水量などを監視する「マンホールの防犯・安全対策ソリューション」を販売開始すると発表した。
同ソリューションは、既設のマンホール内に顧客の監視目的に合致するさまざまなセンサーを後付けで設置し、蓋の開閉状態や内部の有毒ガス発生有無、水質・水量などの状態をセンサーやIoT技術を活用して収集・監視することで、マンホールの防犯・安全対策をトータルにサポートするもの。大規模イベントなどの会場敷地内や会場付近の道路、駅、空港などの多くの人が行き来するような場所に埋設されているマンホールの開閉を監視することで、危険物の設置などのテロ行為などの早期発見を支援する。
また、公道など広範囲に埋設されている上下水道やガスなどのマンホールを所有している自治体や企業では、マンホール内のガス濃度や水位の遠隔監視により、作業員が作業する前にマンホール内の状態を把握し、作業中の事故を未然に防ぐことができる。
工場などでは、従来から実施されている公共下水道への有害物質排出監視に加えて、工場の建屋ごとに設置されているマンホールで水質監視を行うことで、万一、有害物質が排出された場合でも、早期発見と対策を実施することが可能だという。
販売開始時点では、開閉センサー、ガスセンサー、水位センサーのプロトタイプを用意し、顧客の要件に合わせてカスタマイズしていくことでさまざまなニーズに対応していくという。
なお、同ソリューションの通信手段としては、IoTなどで使われることの多い通信規格のLPWAを活用する。シスコシステムズのゲートウェイ機器を用いたプライベートネットワーク以外に、各通信事業者が提供するLPWAサービスを活用したパブリックネットワークを準備しており、例えば、工場やビルなどの敷地内のマンホールの監視にはプライベートネットワークを用いた構成を、公道などに埋設されているマンホールには既に設置されている基地局を活用するパブリックネットワークを用いた構成をというように、監視対象の現地環境やニーズに合わせて、最適なネットワークを提案するという。