米IC Insightsは9月19日(米国時間)、世界規模の専業ファウンドリ市場(Samsung ElectronicsやIntelのような兼業メーカーを除く)の2017年の成長率は前年比7%と予測されるが、40nm未満の微細プロセスの製造受託に限れば18%と高く、40nm以上は1%成長にとどまるとの予測を発表した。

2017年の専業ファウンドリ市場の成長率は、主にメモリ価格の高騰に支えられている半導体産業全体の成長率予測(同16%)よりも低いが、40nm未満の微細プロセス市場のみを見れば、上回っており、ファウンドリメーカーの売上成長の要因のほとんどを占め、かつ利益の大部分も占めるとみられる。

図1 専業ファウンドリの成長を支えているのは40nm未満の先端プロセス。2017年における40nm以上のプロセスの受託生産事業の売上高は前年比1%増の323億ドルと予測されるのに対して、40nm未満のプロセスの受託事業の売上高は同18%増の215億ドルと見込まれており、市場の成長率は先端プロセス製品に依存していることがわかる (出所:IC Insights)

専業ファウンドリトップのTSMCの2017年の売上高の58%が40nm未満のプロセスによると見られているが、この比率は、2位のGLOBALFOUNDRIES(GF)の2倍以上、3位UMCの3倍以上で、GF、UMC、そして4位のSMICの40nm未満の合計売上高(金額ベース)と比較すると実に7倍に達すると予測されている。このように先行するTSMCの2017年の売上高の10%は、10nmプロセスによるものとIC Insightsでは予測している。

なおSMICは、TSMCが28nmプロセスを生産開始してから3年以上経過した2015年第4四半期になって初めて28nmの生産を開始するといった状況であり、2017年に至っても、28nmプロセスの売上高は7%程度にとどまると見られている。