マツダ、デンソー、トヨタ自動車の3社は9月28日、電気自動車(EV)の基本構想に関する共同技術開発に向けた契約を締結したこと、ならびに、この共同技術開発を効率的に進めることを目的とした新会社「EV C.A Spirit株式会社」を設立し、3社のエンジニアを集めて活動していくことを決定したと発表した。

近年、欧州をはじめ、世界中の国々・地域で排ガス規制の強化として、一定割合の電動車の販売の義務化といった動きなどがあり、自動車メーカーとして、今後の持続的な成長を実現するためには、幅広いパワートレーンや技術の開発を進め、燃料電池車(FCV)やEVなどに注力する必要が生じている。特にEVの普及に際しては、求められるニーズが地域などにより異なるため、各自動車メーカーが単独で、そうしたすべての地上やセグメントをカバーするには負担が大きいという課題があった。

今回の3社の取り組みは、市場の動向に柔軟かつ迅速に対応することを目的に、幅広いセグメント、車種をカバーできるEVの基本構想に関する技術を共同で開発することを目指すもの。具体的には、軽自動車から乗用車、SUV、小型トラックまでの幅広い車種群をスコープとし、マツダの「一括企画」や「モデルベース開発」、デンソーの「エレクトロニクス技術」、トヨタの「TNGA」など、各社の強みを持ち寄ることで開発手法そのものを見直すとしている。

なお、新会社では、主に以下の3点について取り組んでいくとしている。

  1. ユニットおよび車両についてEVに最適となる性能および機能を規定する特性(コモンアーキテクチャ)の研究
  2. 1の特性を実現する各ユニットの搭載および車両としての性能を検証
  3. 2を通して、車種群として考えた場合の各ユニットおよび各車両の最適構想の検討

また、今後は、他の自動車メーカーやサプライヤも参画可能なオープンな体制を目指すという。

EV C.A Spiritの体制イメージ