富士フイルムは9月27日、9月25日付けで急性期脳梗塞を適応症とする再生医療製品の実用化を目指す再生医療ベンチャー「NCメディカルリサーチ」の第三者割当増資を引き受け、同社に4億3000万円を出資したことを発表した。同増資により富士フイルムはNCメディカルの全株式の約6%を保有することとなる。

また、今回の出資にあたっては、8月末に両社間で再生医療製品の開発・製造受託に関する業務提携契約も締結しており、これによりNCメディカルが開発を進めている急性期脳梗塞向け再生医療製品「NCS-01」に使用される間葉系幹細胞の大量培養のプロセス開発から細胞培養、製剤化までを富士フイルムが受託し、再生医療製品の開発・製造受託事業の拡大を図ることとなるという。

すでにNCメディカルでは、他家骨髄由来の間葉系幹細胞を用いた、急性期脳梗塞を適応症とする再生医療製品の研究開発として、採取した間葉系幹細胞の中から、脳梗塞によって損傷した脳神経細胞の再生に有用な細胞を独自の培養方法で選別する技術を確立しており、今後、同技術を活用して臨床試験を、2018年以降、日米で開始する予定だとしている。

一方の富士フイルムは、グループ会社のジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)を中核に、再生医療製品の開発・製造受託事業を展開しているが、今回の出資によるNCメディカルが開発中の再生医療製品「NCS-01」の開発・製造受託ビジネスを加えることで、さらなる事業の拡大を図っていくとしている。