セキュリティ事業を展開しているラックは9月27日、働き方のコンサルティング事業を手がけるクロスリバーと協力し、企業の職場の分析と働き方改革に効果的なITの積極活用を支援する「働き方改革支援サービス」の提供を開始すると発表した。

同サービスは3つのステップで実施される。

まずはステップ1として、職場や社員の意識などの現状を数値化。クロスリバーの働き方改革のノウハウをもとに開発したAIを活用し、同社の持つ働き方改革取り組み企業約480社超のデータとのパターンマッチングおよび対面のヒアリングやWebアンケートにより、社員の発言内容および感情を解析し、その結果を可視化する。加えて、産業医や社会保険労務士などの専門家の分析も取り入れ、総合的に診断を行う。

ステップ1の診断結果サンプル

対面ヒアリングでの感情分析では、会話においてどの感情が出ているかをAIを使い8種類の指標で可視化。例えば、「自由」や「家族」は「幸せ」に、一方、「残業」や「一斉消灯」は「悲しみ」や「怒り」に分類するなど、アンケートでは把握が難しい感情を指標化し、働きがいを醸成するための課題を見つけ、その対処方法をアドバイスする。

AI感情分析(ヒアリング)のサンプル

また、安全なIT環境を構築するために、ラックが蓄積したノウハウにより企業のITの利用状況の棚卸しとセキュリティ実装の分析を短時間で実施し、同時に働き方改革に効果的でセキュアなIT活用の提案も行うとしている。

ステップ2では、ステップ1で明確になった課題を解決し、事業生産性(投資/利益)と労働生産性(労働コスト/利益)を向上させ、社員の働きがいを改善するプログラムを提供。実績のある「働き方改革フレームワーク」を使い、社員の腹落ち感を醸成しながら改革を具体的に進めていく。IT基盤構築では、テレワークのための環境の構築やコミュニケーション活性化のためのソリューションの導入を短時間で実施する。

ステップ3では、ステップ2で実現した新たな働き方による効果を振り返る。そして、さらなる改善のための再実行プランの策定や目的達成のための組織・制度改革の支援を実施する。IT環境を維持するために、AIの活用、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)など、生産性をさらに向上するための施策を提言。標的型攻撃やランサムウェアなど、オフィス環境を狙ったサイバー攻撃への対抗策として、企業ネットワークのセキュリティ監視などを提案するという。

「働き方改革支援サービス」の全体構成