熊谷組は9月27日、在宅介護などにおける自立生活支援型の歩行器「フローラ・テンダー(FLORA・TENDER)」を開発したと発表した。
同製品は、在宅での、家族に頼らない、自立生活支援のための開発・環境整備が重要あるとの考えから、同社が2001年に開発した体重免荷式歩行支援機器「フローラ」を、在宅介護・自立生活支援の観点から見直し、時代のニーズにマッチした開発と改良を施したもの。
使用者が自宅で、介助者・介護者の助けがなくてもひとりで歩行し、日常生活を送ることができるよう、「自由に歩く、自由に活きる」をコンセプトとして開発され、電動アクチュエーターの介助による楽な立ち座りを可能とした「立ち座り介助機能」、歩行器が使用者の全体重を支え、膝落ち転倒や前のめり転倒などの心配をなくした「転倒防止機能」、バネによって体重を軽減し、膝に痛みのある方や筋力が衰えた方の苦痛を軽減する「体重免荷機能」といった機能や、コンパクトな設計に加え、狭い廊下などでも方向転換できるようアウトリガーが左右に可動する工夫、日常生活で常時着用していても違和感が少ないジーンズタイプの体重免荷用スリングなどが採用されている。
杖や介助があればなんとか歩行できるけれども転倒の心配がある方や膝の痛みなどで立ち座りや歩行に苦痛を感じる方を対象としており、同製品を活用することで、転倒の心配がなく、介護者・介助者の助けがなくても安心して、ひとりで歩行することが可能になるほか、「立って、歩いて、座る」という一連の動作を行うことが可能となるため、歩行能力の維持・向上につながり、かつ、ひとりで歩行できるようになることで、日常生活におけるモチベーションや意識の向上、QOLの向上、健康寿命の延伸といった効果が期待できるようになると同社では説明している。
なお、同社では、同製品の効果を最大限に活かすことを目的に、ユーザーの要望に応じて、熊谷組グループの建物リニューアル専門会社ケーアンドイーが、ユーザーの身体や生活の状況に応じたベストな住環境の提案も行っていくとしており、同製品を核として、そうした住宅改修も含めた建設会社ならではの総合的なサービスの創出を目指すとするほか、グループ会社ファテックによる福祉用具の販売・リース事業への参入も進めていく計画としている。