宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9月25日、太陽観測衛星「ひので」が、9月6日から11日にかけて発生した大規模な太陽フレアについての撮像観測および分光観測に成功したと発表した。

「ひので」による2017年9月7日6時31分(世界標準時)の太陽観察画像。右下の白い部分が今回のフレア発生地点付近となる (c)国立天文台/JAXA/MSU

9月6日には18時頃と21時頃(いずれも日本時間)の2回、太陽面中央付近で大規模フレアが発生した。極端紫外線撮像分光装置により、1回目の大規模フレア発生のおよそ2時間前から、2回目の大規模フレア発生の2時間後まで撮影することに成功した。

極端紫外線撮像分光装置が取得した9月6日2回目の大規模フレア発生時のスペクトル。温度の低い方から順番に並べてある (c)国立天文台/JAXA

2回の大規模フレア以外にも活動領域のあちらこちらで、さまざまな温度での増光が見られ、多様な規模のエネルギー解放が頻繁に発生している。

また、各輝線のドップラー効果より、温度が300万度より低いプラズマは彩層の方に押し付けられ、400万度以上のプラズマが高速(300-400km/s)でコロナ中に上昇していた。これは、1回目の大規模フレアの結果、コロナの高温プラズマの密度が上昇していたため、今回のエネルギー解放はコロナの比較的高い位置で起こったためではないかと考えられるとしている。