シャープは9月25日、電気の使用状況に合わせた蓄電池の細かな充放電制御により、電気を効率よく供給し、月々の基本料金を削減できる産業用「スマート蓄電池システム」を発売すると発表した。

同システムは、工場やオフィスビル、店舗などの施設向けの高圧受電契約における電気の使用状況をモニタリングすることで、消費電力が上昇したタイミングで、蓄電池から放電を実施。電気の購入量を削減し、最大デマンドを低減する「ピークカット」を行うことで、基本料金の削減を可能とする。

また、放電量も消費電力が小さい時には少なく、消費電力が大きいときには多くするなど、電力の使用状況に合わせて放電量を細かく制御することで、放電量が固定されているタイプの蓄電池システムに比べ、同じ量の電力を放電する場合でも、より効果的に最大デマンドを低減することが可能となるという。

さらに、1日に複数回の充電が可能なため、消費電力が下がったタイミングで充電し、次の放電に備えることが可能。このため、常に充分な電気を蓄えることができるため、最大デマンドの低減を可能とする。

このほか、インバータやコンバータなど、電気の変換機器を介さずに、太陽電池と蓄電池をダイレクトに接続できるため、発電された電気を変換ロスなく蓄電池に蓄えることが可能であり、かつ定格出力以上に発電した分も逃さず蓄電することができることから、パワーコンディショナの定格出力の最大2倍相当の太陽電池を設置することが可能だという。

なお、発売は11月6日からで、製品は容量が異なる3タイプを用意。希望小売価格はオープンで、受注生産で対応するとしている。

スマート蓄電池システムの蓄電池部(製品画像は公称容量33.6kWhのJH-FBCC02)。右はシステムの構成イメージ