IDC Japanは9月25日、国内モバイルデバイス市場の2017年第2四半期(4~6月)の出荷台数実績および2017年~2021年の予測を発表した。
同調査によると、2017年第2四半期の国内モバイルデバイス出荷台数は、前年同期比10.4%増の1190万台。家庭市場の中心であるスマートフォンやタブレット、ビジネス市場中心のPCの出荷がプラス成長になったことが大きな要因となった。同社では2017年通年の出荷台数は前年比10.1%増の5344万台になると予測しており、そのうち家庭市場向け出荷は前年比8.8%増の4,154万台、ビジネス市場向け出荷は14.8%増の1190万台になると予測する。
第2四半期のスマートフォン市場は、ビジネス市場へのスマートフォンの導入が進み始めたことやAndroid端末の通信事業者向け出荷が好調に推移したことによって、前年同期比9.1%のプラス成長だった。通年で見ても、ビジネス市場向けおよび家庭市場向けともに従来型携帯電話からAndroidベースの携帯電話への切り替えが進むことで、プラス成長になると同社は予測している。
また、PC市場も第2四半期は全体として2.5%のプラス成長。ビジネス市場では、学校や自治体などでネットワークの強靱化に伴うPCの入れ替えや、中堅中小企業向けの出荷が好調に推移したことで、前年同期比1.8%増と出荷を伸ばし、家庭市場向けPCは、家電量販店での在庫整理がある程度一段落したことにより前年同期並みの出荷となった。同社は、家庭市場の落ち込みが2016年で底打ちをし、PCが家庭でも必要な機器であることから2017年以降緩やかなプラス成長になると予測。ビジネス市場では、2020年のWindows 7のサポート終了に向けたWindows 10への切り替えおよび買い替えサイクルによって2019年まで成長が続くと予測している。
タブレットは、家庭市場向け出荷が市場を牽引したことで、前年同期比27.5%のプラス成長となった。家庭市場向けでは、通信事業者向け出荷が好調に推移し、同市場向け出荷は過去最高の出荷台数となったが、ビジネス市場向けは、学校向けタブレットは好調に推移したものの、B2B2C案件の減少や企業におけるポータブルPCとの競合、タブレット需要の低さから、2013年レベルの低い出荷台数となった。今後も通信事業者向け出荷が市場を牽引するビジネスモデルは継続されると考えられ、家庭市場を中心に市場は維持されると予測されるが、ビジネス市場では生命保険会社でタブレットの入替えや学校案件などが市場を底支えするものの、企業でのタブレット需要はPCとの差別化が進みにくい状況が続くため、需要が減少すると予測している。