村田製作所は9月22日、同社の米国子会社であるPJ Florence Acquisition Company(買収SPC)を通じて、心拍数、呼吸数、心電図などを計測できるチェストセンサおよびそれらをモニタリングするためのソフトウェア、クラウドサービスなどの提供を行う米Vios Medicalと買収SPCを合併させることで、存続会社であるViosを子会社化することを決議し、買収SPCとViosの間で合併契約を締結したことを発表した。
村田製作所は現在、ヘルスケア・メディカル分野を注力市場の1つに位置づけし、第一種医療機器製造販売業許可を取得するなど、新たなビジネスモデルや顧客価値の創出を目指した取り組みを進めている。
一方、Viosは、2012年に設立されたヘルスケアベンチャーで、チェストセンサにて心拍数、呼吸数、心電図などのバイタルサインデータを計測。取得したデータは、リアルタイムでのモニタリングが可能で、すでに米国ならびにインドの病院でのトライアルが進められている。同社の最大の特徴は、独自アルゴリズムによるリアルタイムモニタリングであり、市販のタブレットやPCを用いた場合でも、準リアルタイムでの処理を可能としているため、高額になりがちなシステムコストを抑えることが可能となる。
また、Viosはこうして得たバイタルデータを解析し、そのデータを提供するサービスも展開しており、こうした新たなビジネスモデルを手に入れることができるようになる点も、今回の買収に至った背景にあると村田製作所では説明している。
なお、買収額は約1億200万ドル相当としており、村田製作所では、Viosの買収を海外におけるヘルスケア・メディカル分野進出の足がかりと位置づけ、今後はViosが保有する海外病院ネットワークを有効活用し、さらなる事業拡大に向けて取り組んでいく計画としている。