NTTドコモ(ドコモ)は9月20日、ドコモの携帯電話ネットワークの仕組みを利用して作成される人口統計と、NTTグループのAI「corevo」を構成する「時空間変数オンライン予測技術」を組み合わせることにより、日本全国の現在、および数時間先のあるエリアにおける人数を予測する「近未来人数予測」の実用化に向けた実証実験を開始すると発表した。
同実験では、「時空間変数オンライン予測技術」で、あるエリアにおける過去の人数の増減が周辺エリアの人数の変動にどのような影響を及ぼしているかを学習し、10分単位でエリアにおける数時間先の人数を予測。また、予測した現在および近未来の人数を、スマートフォン、タブレット端末、デジタルサイネージなどにより可視化するサービスの検証を実施する。
同社では、具体的な活用例の1つとして、観光地周辺における近未来の人数予測をすることで、旅行業においては混雑が発生した際に、混雑を避けた動的な行程の変更を行うことが可能となり、顧客満足度の向上が期待できるほか、観光地一帯の周遊性が向上し、地域経済の活性化にもつながるとしている。
また、災害や事故発生時においては、現在の人数分布に応じた効率的な救助隊の派遣により適切な初動対応の実施に期待でき、大規模イベント後では、人数分布を利用した警備員の動的配置により事故・防犯対策の強化などに役立てることができるという。
今後同社は、様々な分野で活用する実証実験を行いながら、2018年度の実用化を目指す。