日立ソリューションズは、トヨタ自動車 元町工場に「GeoMation 屋内位置把握ソリューション」を導入し、2017年4月に稼働を開始したことを発表した。

元町工場では、同社の上位モデル車種「クラウン」などを生産しており、車軸ユニットを製造する機械部では、各工程間の部品運搬に無人搬送車(以下、AGV)を導入している。しかし、作業員の目が届かない箇所での渋滞や脱線による異常停止トラブルを速やかに発見できず、停止したAGVの復旧作業や、AGV停止中の人手による代替運搬作業にかかる工数の増加が課題となっていた。

同ソリューションは、GPSが届かない屋内や地下のような場所において、人やモノの位置を把握し、作業員の安全管理や人流管理、機材の最適な配置を支援するもの。IoTタグ/ルーターは低価格で消費電力が少なく、電気工事が不要なため、低コストで導入できるという。

元町工場での導入において、同ソリューションはAGVの位置を検知し、それを工場図面に示して大型モニター上で可視化し、AGVが異常停止すると色と音で警告を出す。AGVの位置検知は、電波を発信するIoTタグとその電波を受信するIoTルーターを、AGVと移動経路に設置することで実現している。同社では、IoTタグ/ルーターの最適な設置位置の検討に加えて、稼働開始後に異常停止検出条件の変更やレイアウト変更などをユーザー側で独自に行えるなど、柔軟な運用が可能となるカスタマイズを行った。

なお、同ソリューションの導入後、AGVの異常停止とその位置を現場の作業員が速やかに把握できるようになり、停止したAGVの復旧作業にかかる工数が50%削減されたということだ。