キヤノンは、業務用ディスプレイの新製品として、安定した高輝度表示の実現や12G-SDI端子の搭載により、4K/HDR撮影現場での映像確認に適した24型4K/HDRディスプレイ「DP-V2411」を発売すると発表した。発売予定日は12月上旬、価格はオープン。
同製品は、独自開発のディスプレイ用映像エンジンや、独自設計の直下型LEDバックライトシステム、IPS液晶パネルを採用することで、忠実な色再現・高解像度・高コントラスト・高輝度を実現し、撮影した4K/HDR映像を正確に確認することができるディスプレイ。映像制作業界ではデジタル化が浸透してきており、ハリウッドや動画・音声をインターネット上で提供するOTT(Over The Top)サービスなどの最先端の映像制作現場では、フルHDに続き4K/HDR映像などの高画質な次世代フォーマットへの対応が進んでいる。放送においても、4K放送の実用化に向けた取り組みが始まっており、入力から出力まで映像制作ワークフローの4K化が進み、高精度な映像制作機器の需要が伸びているとともに、4K映像を忠実に再現できる高画質・高精細の映像制作ディスプレイのニーズも高まっているという。
同製品は、600cd/m2(最大輝度・全白輝度)の高輝度表示が可能なことに加え、映像信号の平均輝度が上昇した際に表示画面の輝度が低下するといった、映像内容による輝度の変動を抑制し、安定した高輝度性能を実現している。これにより、撮影現場やスタジオなどでより正しい輝度や色で4K/HDR映像を確認することができる。なお「ブースト オン」選択時は、1000cd/m2までの高輝度表示が可能となっている。
また、現行機種「DP-V3010/2410/2420/1710」と同様に、放送向けのHDR方式である「Hybrid Log-Gamma」や、映画制作や配信向けのHDR方式である「PQ」、キヤノン独自のLogガンマ「Canon Log/Log 2/Log 3」など、各種EOTFに対応している。入力信号の輝度レベルを表示する波形モニターや、入力画像を輝度別に異なる色で表示するフォルスカラー機能など、各種HDR方式に対応した便利な撮影アシスト機能も備えており、HDR映像を効率的に確認できるということだ。そのほか、12G-SDI端子(IN/OUT各4系統)の搭載により、3G-SDI端子搭載の4KディスプレイではSDIケーブルを4本必要としていた4K/60P映像の送受信が、12G-SDI対応ケーブル1本で可能に。ケーブルの本数を抑制できるため、設置の手間やコスト、質量の削減に加え、省スペース化にも貢献することができる。