米Appleは9月12日(米国時間)、iPhone発売10周年記念モデルともいえる「iPhone X」ならびに、iPhone7シリーズの後継モデル「iPhone 8/8 Plus」を、Apple Park (米カリフォルニア州クパチーノ)にて発表したが、そうした動きを受けて、市場動向調査企業の台湾TrendForceは、2017年におけるiPhoneの世界生産台数は前年比5.6%増の約2億2750万台になるとの予測を発表した。
同社の最新の予測では、2017年における世界のスマートフォン生産台数は前年比4.8%増の約14億台に達する見通しで、iPhoneはそのうちの約16%を占める存在となる。
iPhone XはSamsung Electronics製の5.8型有機EL(OLED)を採用。すでに有機EL自体は、Samsungをはじめとするメジャーなスマートフォンベンダの旗艦モデルに搭載されているが、iPhoneへの搭載が、今後の世界におけるスマートフォンへの有機EL搭載を加速させるとTrendForceでは予測している。そのため、2017年に、世界で出荷されるスマートフォンのうち、有機EL搭載モデルは20%台ではあるものの、2020年には全体の約43%へとシェアが拡大する見通しであるとしている。
図1 搭載ディスプレイの種類(TFT-LCDか有機EL)別スマートフォン出荷台数(単位:百万台)および有機EL普及率の2015年~2020年の変遷。2015年、2016年は実績だが、2017年は推定、2018年以降は予測となっている (出所:TrendForce) |
なお、iPhone Xには、はじめて3Dセンシングモジュールが搭載されたが、今後、ほかのスマートフォンにも爆発的に普及していくともTrendForceは予測している。そのため、モバイル機器に使用される3Dセンシングモジュールの市場規模も2016年は1.4億ドルに過ぎなかったものが、2017年には10倍の14.7億ドルに達し、以降も2020年までは年平均成長率209%で成長を続け、2022年には127億ドルに達するとしている。ちなみに、3Dセンシングモジュールには、IRトランスミッタとレシーバのコンポーネントも含まれているという。