伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は9月12日、NVIDIAのAIスーパーコンピュータ「DGX-1」の販売を開始すると発表した。画像や音声などのデータを機械的に認識し、分析するディープラーニング技術を活用して業務の自動化や予測の高度化を図りたいと考える、製造業や情報サービス業、流通業の企業を中心に展開していくとしている。
近年、ニューロン(神経細胞)が情報伝達する仕組みを模倣したディープラーニング技術が普及し、AIの実用化が急速に進んでいる。しかし、ディープラーニングは並列処理を駆使する技術で、計算の速度や正確さを確保して実際のビジネスで使用するには、高性能なコンピューティングリソースが求められる。また、使用する環境や目的、計算対象に応じてさまざまなソフトウェア(ライブラリ)があるため、検証や開発を含めた環境構築にも多くの時間を必要とする。
今回、CTCが取り扱うDGX-1は、NVIDIAが並列コンピューティングやディープラーニングに向けてハードウェアのアーキテクチャを最適化したAIスーパーコンピュータで、960テラFLOPSの性能を実現するGPUを搭載している。また、画像や音声認識、自然言語処理などのディープラーニングの各種のソフトウェアや、Dockerによるコンテナ技術を備えており、ユーザーは環境の準備に時間を費やすことなくディープラーニングに取り組めるという。さらに、NVIDIAが提供するクラウドサービスによって、ハードウェアについての状態確認やソフトウェアの最新版への更新などを行うことも可能だ。
なお、CTCはNVIDIAのパートナープログラム「NVIDIA Partner Network」のディープラーニング分野でCTCはパートナー認定「Deep Learning Competency」を受けており、今後は両社連携のもと、DGX-1の普及を通してユーザーの更なる業務効率化やデジタルトランスフォーメーションに貢献していくとしている。今後3年間で、同製品を含めたAIシステムの構築や運用サービスと合わせて20億円の売上を目指すという。