キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は9月12日、メールフィルタリングソフト「GUARDIANWALL Mailファミリー」の最新版を10月3日から提供を開始すると発表した。最新版では、クラウド型メールとの連携など、ユーザー環境に合わせた機能を拡張したという。
最新版では、普及が進むクラウドとの親和性・連携性を高め、クラウド型メールを利用の企業が情報セキュリティ担当者の運用負荷を増やすことなくメールセキュリティの強化を実現する機能強化を行った。
具体的には「メール形式検査による独自の標的型メール検知機能の強化」「メール送信者自身による誤送信チェックを必須化する機能の追加」「Office 365などのリッチテキスト形式メールへの対応」「シングルサインオンSAML2.0 に対応」の4点。
メール形式検査による独自の標的型攻撃メール検知機能の強化では、巧妙化が進む標的型攻撃メールに対応するため、差出人詐称や添付ファイル拡張子偽装への対策のほか、検知機能の強化を行った。従来のスパム対策、ウイルス対策製品ではすり抜けてしまう標的型攻撃メールを検知。攻撃者から大切な情報資産を守ることで、クラウド型メールを利用時のセキュリティ向上を実現し、検知対象(実行形式プログラム)の種類・検知条件を拡張や偽装されたURLリンクの検出、フリーアドレスからの送信判定などを可能としている。
メール送信者による誤送信チェックを必須化する機能の追加については、メール送信者自身に送信内容に間違いがないかのチェックを必須化させる機能を追加し、指定した条件に合致し、一定時間内にチェックされなかったメールは自動で送信がキャンセルされる。メール送信者に対し誤送信チェックを課することで、情報セキュリティ担当者やメール承認者に負荷のかからない誤送信対策を施すことで、機能の多様化が進むクラウド型メールにおいてもカバーされていない誤送信対策の付加により、安全にメールを利用することができるという。
Office 365などのリッチテキスト形式メールへの対応に関しては、Office 365やMicrosoft Exchangeで用いられるリッチテキスト形式メールにおいても、添付ファイルの自動ZIP暗号化送信を利用できるようにした。自動で添付される本文の書式情報ファイルを適切に処理することで、意図しない暗号化処理を防ぎ、添付ファイル送信時のセキュリティ向上を図っている。
シングルサインオンSAML2.0対応では、各種クラウドサービスで対応が進むシングルサインオン認証技術 SAML2.0に対応することで、送信メールの承認や送信者自身による誤送信チェック時におけるログイン情報を都度入力するユーザー負荷を低減し、クラウド型メールとのシームレスな運用を実現するとしている。
そのほかの強化機能としては、メール監査画面における関連メールのスレッド表示に対応、HTML形式メールの本文に貼り付けたファイルに対する添付ファイル暗号化処理の改善、Windows仮想化プラットフォームHyper-Vに対応(11月リリース予定)している。価格は、いずれも税別でGUARDIANWALL MailFilterが26万1000円(50 ユーザー)、同MailConvertが13万2000円(同)、同MailArchiveが30万9000円(同)、同MailSuiteが50万1000円(同)。