米Amazonは9月7日 (現地時間)、第2ヘッドクォーター (Amazon HQ2)を北米に設ける計画を発表した。建設候補地を公募する。
ネット通販で急成長を続ける同社は、先月末に食料品・日用品スーパーの「Whole Foods Market」の買収を完了させ、ネットと実店舗を融合した新たな展開へと踏み出したばかり。事業の拡大に対応するために、新たな事業拠点となる第2ヘッドクォーターを設ける。条件として、ソフトウエア開発や関連する分野において優れた人材を継続的に確保できること、そしてAmazonの革新的な事業展開をサポートする環境を挙げている。大きく、創造的に考えるAmazonの活動をすばやく実行させていくには、自治体やコミュ二ティの協力が欠かせない。そうした理解を得られる場所に第2ヘッドクォーターを置くことで、Amazonの成長が加速し、地域経済の活性化につながり、Amazonユーザーにも利益が広がる。相互利益を実現させるために建設候補地を公募にした。
Amazonはワシントン州シアトルに本社 (HQ1)を置いている。広さは810万平方フィート、40,000人以上の社員が働く。2016年には、Amazonとの取り引きなどで地域のホテルが233,000泊分使用された。社員の通勤をサポートするために、Amazonはこれまで地域の公共交通システムに4,300万ドルを投じている。20101年~2016年のAmazonの直接投資によって53,000人規模の仕事が生まれ、その経済効果は380億ドルになるという。第2ヘッドクォーターは約50,000人が働く事業拠点を想定しており、建設に約50億ドルの投資を予定するなど、第1ヘッドクォーターと同じような経済効果を地域にもたらすとしている。
規模が大きいため、候補地は人口100万人以上の都市部を中心に募る。シアトルのキャンパスと同等の規模になるが、デザインやレイアウトは同じものにはならない。近年、若い人材を確保したい企業が都市のダウンタウンに事業拠点を設けるケースが増えているが、ダウンタウン・キャンパスは考えていないという。技術分野の優れた人材を惹き付けられる場所であれば、郊外を選ぶ可能性もある。
第2ヘッドクォーターは第1ヘッドクォーターに従属するのではなく、同等のヘッドクォーターとして機能するという。2つの事業拠点がどのように連動するのかは現時点では不明。Amazonは10月19日まで誘致を希望する自治体からの提案を受け付け、建設予定地の発表は来年になる見通しだ。