ジャストシステムは9月6日、パソコンやタブレット端末で取り組む、小学校向けドリル学習ソフト「ジャストスマイル ドリル」をクラウド環境で利用できる「ジャストスマイル ドリル クラウド」を、11月28日から発売開始すると発表した。価格はオープン。
主な機能の特徴として「効果的に基礎学力の向上」「アダプティブ・ラーニングを可能にする学習管理システム」「児童が学習に集中できる設計」「楽しく意欲的に学習できる仕掛けを搭載」「クラス全体の学力を底上げする先生向け機能」「持ち帰り学習への対応」「すぐに利用開始が可能」の7点を挙げている。
効果的に基礎学力の向上では、文溪堂がジャストスマイル ドリル向けに開発した基礎学力を効果的に向上できる体系的なカリキュラムと、良質な問題を収録しており、主要4教科の全教科書に対応しているため授業進度に合わせた利用が可能なほか、英語必修化を先取りし、クラウド型通信教育「スマイルゼミ」の教材から単語とフレーズのネイティブ音声380語収録し、よく聴くことで話す能力を育成できるとしている。
アダプティブ・ラーニングを可能にする学習管理システムは、問題の解答状況から個々の理解度を分析し、次に取り組むべき問題を判断して、各個人に最適な出題を行い、間違えた時には解説を提示するとともに、反復学習に向けた類題を出題。なお、算数で間違えた場合は、基礎となる単元までさかのぼり出題し、正解時には応用力が身に付くように類題や発展問題を出題するため、無理なく効果的に基礎学力の定着を図ることが可能だという。
児童が学習に集中できる設計については、従来のデジタル教材特有のメニューから何度も画面選択を繰り返す作業や、テンキーボタンでの解答入力といった面倒な手間をなくし、児童が迷わず使える画面インタフェースとスムーズな操作性を実現しており、起動の際にトップ画面に先生が指定した問題や取り組んでいない問題など解くべきドリル教材を一覧表示するため、学習をすぐに開始できる。
漢字の書き取りのほか、立式や筆算、メモも手書きでき、学習データとして残せることから学習の振り返りも容易なことに加え、解答した時点で自動採点されるため、なぜ間違えたかに気付くことを可能とし、理解度が向上するとしている。
楽しく意欲的に学習できる仕掛けを搭載している点については、正解率や取り組み状況に応じてスターや賞状がもらえる仕組みを搭載し、頑張りを可視化して評価することにより、児童の自発的なやる気を喚起し、楽しく学習を進め、ゲーム風になり過ぎて集中力が途切れないよう配慮している。
クラス全体の学力を底上げする先生向け機能に関しては、手書きでの解答を文字認識し、自動採点して間違えた問題には解説を提示することで、先生の採点負担を軽減するという。先生向け画面では、児童を問題の取り組み状況や解答内容に応じてリアルタイムに分類し、個別指導すべき児童を自動検出する。
先生はタイミングを逃さずに、支援を必要としている児童への個別指導に注力できるとしている。さらに、先生向け画面ではクラス間の成績比較結果なども表示するため、学習習熟度が低いクラスを判断し、該当単元を取り組み直すための指標としても活用できることに加えそのまま印刷して児童に配布できるプリント教材を標準搭載している。
持ち帰り学習への対応では、タブレット端末に問題のデータをダウンロードすれば、ネットワークにつながっていない環境でもドリル学習に取り組める設計とし、パソコン教室や普通教室での活用に加え、家庭に持ち帰って復習に利用することも可能。学習結果は、ネットワークに接続した際に自動で同期され、サーバに学習履歴として合わせて蓄積されていく。
すぐに利用開始が可能なことについては、全国の小学校の85%が導入するジャストスマイルシリーズと操作性を統一しているため、ICTに不慣れな先生でも迷うことなく、すぐに使い始めることができるという。サーバを学校内ではなく、クラウド上に置くことで導入が容易となり、サーバの導入や管理といった費用と手間の負担が軽減できるとしている。