アレイ・ネットワークスは9月1日、ADC(アプリケーションデリバリコントローラ)である「Array APVシリーズ」の新たなラインナップとして「AppVelocity-E」の日本国内での販売開始した。AppVelocity-Eは、最新のSSL暗号化スタンダードをオフロードするために専用設計されており、ECC(Elliptic Curve Cryptography:楕円曲線暗号)暗号化方式のトランザクション処理を高いパフォーマンスで実現するという。
近年、常時SSL化の推進などにより、インターネットトラフィックのSSL化が予想を上回る速さで進行しており、その中でもECC暗号化方式を使用したトラフィックの比率も増加している。
また、同方式の安全度はRSA方式より高く、次世代スタンダードとして注目されている。例えば、256ビット鍵を使用したECC暗号化は、2048ビット鍵を使用したRSA暗号化よりも強度が得られるという。しかし、SSL/TLS実装の中でECC暗号化方式の実行には高性能が求められている。
これまで、Array APVシリーズはソフトウェア処理でECC暗号化方式に対応していたが、AppVelocity-Eは同方式を高速処理可能なSSLモジュールを搭載。
今回、販売を開始するのは「APV2600v5」「APV3600v5」「APV7600」「APV11600」の4機種。APV2600v5は、14KのECC SSL TPSおよび9GbpsのECC SSLスループット、APV3600v5は29KのECC SSL TPSおよび23GbpsのECC SSLスループットをそれぞれ達成し、中規模企業システムに求められる機能を備えたADC。
さらに、APV7600は38KのECC SSL TPSおよび33GbpsのECC SSLスループット、APV11600は75KのECC SSL TPSおよび80GbpsのECC SSL スループットをいずれも達成しており、大規模組織のシステムに求められる機能を備えたADCとなる。