Ristは、広角眼底画像を用いたAIによる網膜剥離判定でAUC98%の精度を達成したと発表した。
同研究は、Ristとツカザキ病院眼科の共同研究によるもので、同研究成果は、英国学術誌「Scientific Reports」に掲載された。
同研究では、人工知能技術であるディープラーニングを用いて、失明に直結する疾患である網膜剥離眼と正常眼を網膜の広角画像のみから判別する取り組みを行い、臨床上有用な高い精度を得ることに成功した。ディープラーニングの解析の対象にした広角眼底画像(Optos)は、現在、健診などで主に用いられている従来型非散瞳眼底カメラの4倍以上の画角を持ち、わずか2㎜の自然瞳孔下から眼底の80%のエリアを撮影可能であり、眼科遠隔診療のブレークスルー技術と認識されている。
同研究グループが進めているOptos画像へのAIアルゴリズムは、国内外の人間ドックを始めとした健診、眼科医のいない医療過疎地での遠隔診療などへの組み込みを可能とし、ひいては日本の眼科医療メディカルツーリズムの端緒となる可能性がある。診断見落としを防ぐ二重チェックシステムへの応用や、眼科医療過疎地に対する遠隔診療への応用、健診による早期発見への応用などが期待されているという。
同研究グループは、今回の共同論文をProof Of Conceptとして、引き続き複数の眼底疾患での展開を推し進めていくということだ。