第一生命保険(以下、第一生命)と日立製作所(以下、日立)は8月31日、医療ビッグデータを生命保険事業に活用するための共同研究により、「生活習慣病に起因する入院の可能性とその日数」を予測する定量評価モデルを開発したことを発表した。

これによると、個人の健康を阻害する要因にはさまざまな要素が複合的に関連しているが、これまで第一生命が蓄積してきた医療ビッグデータと従来の手法を用いた分析では、これらの関連性を踏まえた評価を行うことに一定の限界があったという。

そこで共同研究の第一弾として、日立が保有する分析手法・ノウハウを活用して、「糖尿病や血管系疾 患など8大生活習慣病に起因する入院の可能性とその日数」を予測する定量評価モデルを開発。複雑に絡む複数の「健康を阻害する要因」を加味し、将来入院する可能性およびその日数を予測することが可能となった。

日立が保有する分析手法・ノウハウを活用した、加入範囲の拡大イメージ

このうち、高血圧治療中の方について、同モデルを用いることで、そのほかに一定程度「健康を阻害する要因」がある場合でも、健康な方の入院可能性・日数との差が小さい場合があることなどが確認できた。これにより、第一生命は該当する顧客の一部を引き受けれるように基準を見直すに至った。その結果、見直し後の約1カ月間で、合計300名を超える方々が新規加入した。

さらに両社は、共同研究の第二弾として、9月より「一人ひとりの健診結果の推移」や「生活習慣の変 化」に着目した基礎研究に着手する予定だ。