日本オラクル 常務執行役員 クラウド・システム事業統括 大月剛氏

日本オラクルは8月28日、クラウド・インフラストラクチャ製品群に関する説明会を開催した。常務執行役員 クラウド・システム事業統括の大月剛氏は、2018年度のクラウド・インフラストラクチャ製品群のハイライトとして、以下の4点を挙げた。

  • Oracle Exadataを中心に、他のエンジニアド・システムと組み合わせた形での導入が増加

  • Oracle Database Appliance(ODA)の導入拡大

  • SPARC製品を利用している官公庁におけるハードウェア更改の増加

  • メインフレーム向けなどテープ・ストレージの底堅い需要

大月氏は、「インフラのすべてのスタック」および「オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドという技術の変遷に伴うすべてのフェーズ」に対し、製品を提供できるという同社の強みを生かし、クラウド・インフラストラクチャ製品群を展開していくと説明した。

2018年度のクラウド・インフラストラクチャ製品群の戦略としては、「オンプレミスからクラウドへ」という考え方「Journey to Cloud」の下、安定と向上を実現する「サーバ/ストレージ」、連携と拡張を実現する「Exadata」、開拓と展開を実現する「テープ/ODA/MiniCluster」を展開していく。

「サーバとストレージはテクノロジーの進化により、安定性と向上を実現していく。Exadataはビッグデータ活用とデータリカバリに関連付けた導入を目指す。テープ、ODA、MiniClusterについては、アーカイブやセキュリティの用途における販売を拡大していく」(大月氏)

クラウド・インフラストラクチャ製品群の戦略

また、製品群としては、「エンジニアド・システム」「サーバ」「データベース・アプライアンス」「ストレージ」を中核に据えて展開していく。

クラウド・インフラストラクチャ製品群

大月氏は、エンジニアド・システムについて、IDC Japanの市場調査を例に出し、2017年度第1四半期のConverged System市場の出荷額のシェアでで同社が24.4%と第1位であり、さらにIntegrated Platform市場の出荷額ではシェア65.8%であるとして、好調ぶりをアピールした。

過去1年間の国内導入の特徴としては、Oracle Cloudとの連携という新たな利用形態の促進とExadataからExadataへのリプレースが挙げられた。

サーバについては、OSとして搭載されているSolarisがサーバに加えて、エンジニアド・システム、ストレージ、Oracle Cloudにおいて利用可能であるとして、大月氏はオンプレミスからクラウドまで同じ技術が利用できることを強調した。

また、次世代SPARCプロセッサが、2017年下半期から2018年上半期にかけて発表される予定だ。

SPARCの製品ラインアップ

ODAは、2017年度に発売以来過去最高の売上を記録し、ビジネスが本格的に始動した2012年度の売上の5倍に達したという。大月氏は、ODAの売上が好調な理由として、「Database Standard(SE) Editionの市場が大きいこと」「Standard Editionの9割以上が他社のハードウェア上で稼働していること」「SEからSE、SEからEnterprise Editionへのアップグレードのいずれにおいてもコストメリットがあること」を挙げた。

ストレージについては、コンテンツ管理、メディア&エンターテイメント、HPC/ビッグデータ、ヘルスケア、図書館、ビデオ監視といった分野でテープ・アーカイブの需要が高まることが見込まれるという。

オラクルは、テープ・ストレージの製品ラインアップとして、テープ・ドライブ、テープ・ライブラリ、仮想テープを提供しているが、これらを活用して階層化バックアップの運用に取り組んでいる。

テープ・ストレージの製品ラインアップ

さらに、大月氏は、同社の注力分野であるセキュリティについても、クラウド・インフラストラクチャ製品群を活用したソリューションを提供していくと説明した。

データベース・セキュリティ対策が求められるガイドラインとしては、今年5月に施行した改正個人情報保護法、来年3月に施行されるPCI-DSS、2019年5月に施行されるEU一般データ保護規則(GDPR)などがあるが、当座は、PCI-DSSに対応したデータベース基盤を迅速かつ簡単に構築できるアプライアンスを提供していく。