NTT西日本は8月25日、安全に働ける職場環境の実現を目指し、バイタルデータと位置情報などを利用する作業者安全支援サービスの実証実験を、2017年8月から10月までの予定で開始すると発表した。同実証実験では鹿島建設の協力を受け、実環境でのシステム有用性を検証し、早期の実用化を目指す。
今回の実験では、作業者が身に着ける複数のセンサデバイスからの情報を収集・可視化することで、作業者の体調不良などの予防や危険につながる行動の把握による労働災害の抑止を目指す。
リストバンド型センサデバイスは富士通の製品を利用し、作業者のパルス数や加速度情報、周辺の温度・湿度情報等を取得することで、体調不良などの予防に対する有用性や転倒・転落検知の正常性を検証するとしている。
作業現場内にはビーコンを設置し、これと作業者が身に着ける環境センサーから作業者の位置情報や気圧情報を取得して、危険エリアや建設機械などへの近接情報、また高所作業中の情報などを可視化し、重篤災害抑止や作業監督者の見回り作業などの稼働軽減に対する有用性を検証する。
同実験における検証項目として、センサデバイスとビーコンなどからのデータ収集・可視化に関する技術検証および、作業現場内の作業員の安全管理稼働軽減に向けた有用性の確認の2点を挙げている。
今後、同実験の結果や作業者・作業現場監督者の意見、要望などを取り入れて、働きやすい職場環境づくりに寄与できるサービスの早期実用化を目指す。また、将来的には同実験で構築したシステムをベースに安全管理以外の多様な利用シーンとして、介護における高齢者の体調や位置情報の把握や、教育現場における運動中の体調・活動状況の把握など、用途に合わせて幅広く使えるセンシング技術やシステムの実現を目指す方針だ。