東急建設は、建設現場の災害事故撲滅を目指し、バンダイナムコスタジオの技術支援のもと、「VRゲームテクノロジーを活用した体験型安全衛生教育システム」を開発したことを発表した。
同システムは、体験者がヘッドマウントディスプレイと手足にコントローラーを装着し、VR空間の建設現場において実際に手足を動かす作業を行いながら、没入感をもって学習する体験型システム。
数多くのゲームコンテンツに取り入れられている感情や心理といった人間の行動原理に影響を及ぼすストーリー展開技術を活用することで、建設現場の災害事故に至る過程をVR空間上でリアルに再現している。体験者は、VR空間内でさまざま災害事故を疑似体験することにより、災害事故に繋がる原因を考え、災害事故発生防止のために自らがどのように行動すれば良いのかを学べるという。
通常の体験型学習では、体験者に模範的行動を習得させることを目的としているが、同システムのコンテンツは、災害事故の主な原因となる「気付き忘れによるミス」や「横着する」といった、体験者本人が実際に起こしそうな不安全行動を誘発しやすい状況設定となっており、あえて災害事故を疑似体験させることを意図して制作されている。
なお、同システムは持ち運べるため、現場事務所の会議室などを使用して教育を行うことが可能だということだ。