NTTPCコミュニケーションズは8月23日、リストバンド型バイタルセンサーを活用して屋外で働く人(フィールドワーカー)の健康や安全をみまもるクラウド型IoTサービス「みまもりがじゅ丸」を提供開始した。

サービスの概要

同サービスは、リストバンド型バイタルセンサーを活用して、フィールドワーカーの脈拍数を計測し、場所の情報と合わせてリアルタイムで管理者に報せるもの。例えば、警備会社の管理者が、炎天下の屋外イベントで会場内に広く配備された警備員の健康状態や所在位置を一括で把握することで、事故の予防や適切な業務運営を行うことが出来るようになる。NTTPCは4年前からIoT事業に取り組んでおり、各種IoTサービスやプラットフォームを提供し、多くの事案やPOC(概念実証)で培ったノウハウやデータを組み合わせることで、比較的安価でリアルタイムにフィールドワーカーの健康管理を実現したという。

同サービスでは、約1年のべ550人日以上のPOCを実施したデータと、医療専門家の監修による分析ロジックに基づき的確にフィールドワーカーの異常を検知する。フィールドワーカー全員の健康状態をリアルタイムで一覧表示することで、管理者がワーカー個人の安全を個別に把握する「ラインケア」を充実させることが出来る。このサービスにより健康悪化のきざしを検知し、ワーカーが単独で働いている場合でも、みまもられている安心感を与えることができるということだ。

また、複数のフィールドワーカーの脈拍が変化した場所を重ね合わせることで、ヒヤリ・ハットポイントを発見できる。例えば、運送業界においては、ベテランドライバーの脈拍変化からヒヤリ・ハットポイントを抽出することで、見落としがちな危険箇所をビギナードライバーに注意喚起できる。運送以外の業界でも、データを活用することで、工場における製造作業中や、工事現場内での建設作業中など、シーンを問わずヒヤリ・ハットポイントの抽出が可能となる。なお、「みまもりがじゅ丸」は、他システムとの連携可能なAPIを有しており、これを利用することで、運行管理や作業工程管理などのさまざまなシステムと組み合わせて、システムの高度化・拡張を図ることもできるということだ。

今後は、蓄積したデータやノウハウに機械学習などの新たな技術・機能を加えることで、より精密に個人の状態を把握し、体調変化の検出やヒヤリ・ハットポイントの抽出の精度を更に向上させていきたいという。また、NTTコミュニケーションズグループで展開している「NTT Com Healthcare Package」と組み合わせることで、フィールドワーカーが働く業界全体の課題を解決するソリューションを充実したいということだ。